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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんちしんじゅう

南地心中

泉 鏡花

Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

」

男衆は偶と言を挟んで、

「何を御覧なさる。」

「いいえね、今擦違った、それ、」

とちょっと振向きながら、

「それ、あの、忠兵衛の養母といった隠居さんが、紙袋を提げているから、」

「串戯じゃありません。」

「私は例のかと思った、……」

「ありゃ天満の亀の子煎餅、……成程亀屋の隠居でしょう。誰が、貴方、あんな婆さんが禁厭の蛇なんぞを、」

「ははあ、少いものでなくっちゃ、利かないかね。」

「そりゃ……色恋の方ですけれど……慾の方となると、無差別ですから、老年はなお烈しいかも知れません。

分けてこの二三日は、黒焼屋の蛇が売れ盛るって言います……誓文払で、大阪中の呉服屋が、年に一度の大見切売をしますんでね、市中もこの通りまた別して賑いまさ。

心斎橋筋の大丸なんかでは、景物の福引に十両二十両という品ものを発奮んで出しますんで、一番引当てよう了簡で、禁厭に蛇の袋をぶら下げて、杖を支いて、お十夜という形で、夜中に霜を踏んで、白髪で橋を渡る婆さんもあるにゃあるんで。」

六

男衆もちょっと町中をした。

「まったくかも知れません、何しろ、この誓文払の前後に、何千条ですかね、黒焼屋の瓶が空虚になった事があるって言いますから。