Japanische Klassiker mit Furigana
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme
扇沢登りは道らしいものはありませんが、割合楽でした。種ヶ池には今年できた小屋があり、池には山椒魚がいると書いてありました。鹿島槍を下って道は峰を巻いています。下り切って、少し巻いて進むと雪渓があり、これから道は東から下りて来る向いの谷にあるので七月頃なら雪渓が延びてその谷の上へ道が通じているのですが、私の通ったときは雪渓が切れて取付き口は土崩れのようになっていたので、この谷を登るということに気づかず、雪渓を上下して山の中腹に道を求めていると、ちょっと辷ってけがをし、引返し最後にこの谷を登るとわけなく道がわかってあんなに迷ったことが馬鹿らしいくらいでした。
五竜岳へ着いてからも霧がかかっていたため、三角点から引返すことに気づかず、黒部谷側の尾根と本尾根とを間違え、これを上下し随分迷い、疲れてここへ一泊することにして霧の晴れるのを待った。夕方霧が晴れて初めて後戻りしていることがわかり、まことに残念でした。迷うと磁石が狂っているように思われます。海抜二八〇〇メートルの高所に着のみ着のまま寝たのですが、合羽を大沢小屋に乾しておいて忘れ一層寒く、一晩中凄い月が黒部谷を照らして立山の上へ移るまで、殆んど寝ないで眺めていました。