Japanische Klassiker mit Furigana
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme
私は尾根の方を行きましたが、ところどころ崩れていました。もうここらの木々は新雪で飾られています。登り切ったところに常念小屋があります。しかし錠がかけてあって入れません。常念頂上へ登って行く途中、松本二中の先生岸様に出会いました。烏川の本沢を登られたのです。そして今日中に中房へ下ると言っておられました。常念の頂上には祠があります。その前に小さい地蔵様が置いてありました。雪がばらばらと降ってくるのみで、楽しみにしていた前の槍、穂高連峰をさえ見ることができぬのは残念でした。常念を下って岸様を追って行きます。道はたいていの山の西側を巻いています。二ノ俣に小屋は二カ所あって開け放しです。大天井岳の絶頂に登ってみましたが何も見えません。ただ三角点が雪の降るのに、知らぬ顔をしているばかりです。喜作新道の別れ道にきました。すると案外にも岸様の足跡が槍に向っています。さては槍に行く気になったのだなと思って、私も元気になり大急ぎで追って行きました。やっと西岳の小屋へきてみると岸様は薪を集めていました。よく話してみると道を間違えてここへきたとのことです。私がここへ着いたのは午後五時頃で小屋は開くようになっていましたし、茣蓙や天幕等もあり、火も難なく焚けましたので、着物等を乾かし九時頃寝ました。