Japanische Klassiker mit Furigana
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こせんのなぞ
古銭の謎
野村 胡堂
Lesen Sie 古銭の謎 (こせんのなぞ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.885 Zeichen · 26 Bildschirme
「先ず陽子さんの古銭を借して下さい、これを銀盆の上に置く……」
銀盆の上には矢張り、古銭と同じ長さ四寸ばかりの刀形の凹みがあります、それに青銅の古銭をピタリとはめこんで、ギュッと右に廻すと、銀盆はポコリと外れて、その跡に小さい鍵穴が現われます。
「今度は浩一郎さんの鍵を拝借……御覧下さい、……春山昇氏は、その二人の相続者達が争う事を好まれなかったのです、お解りでしょう。この鍵と古銭と、二つ揃わなければ、秘密の宝庫を開ける事は出来なかったのです、……春山氏は、浩一郎さんと陽子さんと、仲よく遺産を分配するように、この古銭と鍵を一つずつ分けて遺されたのです」
と鉄板の小さい穴に鍵を入れて、一つひねると、手に従って大鉄板は、スッと横の方に滑って隠れそのあとへ、方一間の大穴、物凄い口をパッと開けました。
「驚いてはいけませんよサア」
南老人が懐中電灯を差し向けると、中には金銀珠玉と思いの外、俯向になった人間の死体と、真黒な桶が一つ。
「アッ」
驚きとも恐れともなく陽子と母親は声をあげます。
「よく見て下さい、これが行方不明になった、この家の主人、春山昇氏の遺骸です、空気や湿度や、その他いろいろの関係で遺骸は腐蝕もせず、そのまま屍蝋になって居ります、が、よく見ると、頭に恐ろしい打撲傷があるから、人に殺された事は明白です」