Japanische Klassiker mit Furigana
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こせんのなぞ
古銭の謎
野村 胡堂
Lesen Sie 古銭の謎 (こせんのなぞ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.885 Zeichen · 26 Bildschirme
七
「エッ」
「エッ」
「驚いてはいけません、春山氏を惨殺して、ここへ投げ込んだ犯人が、ここへ貯えて置いた、古銭、珠玉、金銀、有価証券、併せて五百万円程のものを奪い去ったのです」
「エッ」
「エッ」
恐怖と驚きに、ハチ切れ相に緊張した地下の闇の中に、こんな技倆があろうとも思わなかった南老人は、声さえも若やいで、明快無比の判決を下します。
七
「その犯人は誰です」
「よくわかって居る、死骸の側に大事な証拠が落してあった」
「誰です」
「ここに居る」
「エッ」
「それ」
指す方には、謹直無比と思われた執事の左京路之助、早くも形勢を察して、逃げ腰に南老人の方をハタと睨みます。
「エッ、老ぼれ、余計な処へ出しゃばる、お前は誰だ」
「知り度いか」
「ウム、これ程にたくらんだからくりを見破るのはどこの馬の骨かわからぬ古銭家の南老人ではあるまい」
「その通り」
「誰だお前は」
「花房一郎」
「アッ」
驚いたのは、左京路之助許りではありません。名探偵花房一郎が、老古銭家に化けて入りこもうとは、誰だって気が付くわけはなかったのです。
「これ左京、何をウロウロする、逃げようたってもう駄目だぞ、この屋敷は、出口出口をすっかり堅めて、蟻の這出る隙間も無い……、悪党なら悪党らしく、神妙に兜をぬげ」