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Japanische Klassiker mit Furigana

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こせんのなぞ

古銭の謎

野村 胡堂

Lesen Sie 古銭の謎 (こせんのなぞ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.885 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

執事の部屋といっても、さすが聞えた大富豪の邸宅ですから、その豪勢振りは、並大抵の金持の主人では追っ付かない位です。

この建物は、凹字形になって、鉄筋コンクリートの城塞風の設計で、正面――即ち、凹字形の底部――は、本屋で、表側全部と裏の二階は、行方不明になった主人春山昇が使用し、凹字形の右翼は、陽子と父、左翼は浩一郎とその母が借り受け同じ棟続きながら、呉越というと古めかしく聞えますが、手っ取早く言えば敵同志のように暮して居たのでした。

「早速古銭をお目にかけましょうか」

椅子をすすめて、左京路之助がいうと、南老人は、

「エエどうぞ」

のどから手が出るといった形ちで乗り出して参ります。

「叔父は日本一、いや世界でも有名な古銭家でしたから、珍らしい高価な品を、非常に沢山持って居る筈でした、亡くなってから見ると、ろくなのは一枚も残って居ません、不思議なことがあるものです」

浩一郎青年は、南老人にこんな事を話して居る内に、左京は二三百枚の古銭をガラスの箱に並べたまま持って参りました。

「どうせ、大したものはあるまいと思いますが、一応御覧下さい」

「フム、成程、手頃のがあるようじゃ、お望なら、これを皆んな求めても宜しい、……千五百円位、どうじゃな、いけなければ、もう二三百円は出しても宜しい」