Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のろいのダイヤモンド

呪の金剛石

野村 胡堂

Lesen Sie 呪の金剛石 (のろいのダイヤモンド) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.393 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

ルイ十六世も、アレキサンダー二世も、銀行家のホープも、飴屋も、青色ダイヤの呪の前には同じことです。何んという恐ろしい死骸の数でしょう。私はもう欲得ずくでこの宝石を追って居るのではありません。何んとかして、この恐ろしい呪の宝石を、人類の手から永久に取り上げて、元のハイドラバッドの仏像に返すか、でなければ、永劫に燃えさかる噴火口へでも投り込もうと思ったのです。ダイヤは私のものです。誰の手にあっても、私はそれを取り上げて処分することが出来る筈です。こんなダイヤは人間の身体を飾るのには、あまりに高価過ぎます。あって益の無いものです。けれども、御覧下さい。二百年の呪を逞しゅうした青色ダイヤも、今はもう、あの荒波に呑まれてしまいました。時価に積って何百万円、イヤイヤどうかしたら、何千万円するかも知れない稀代の名玉は、海の底深く沈んで、その呪の存在の終りを告げてしまいました。二度とこの世の中に現われて、人間の命を呪わないように、せめて、仏陀の御名に祈りましょう」

美しくも尊い女は、黒貂の外套を岩の上に脱ぎ捨て、静かに眼を閉じて、荒波の底をふし拝みました。