Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のろいのダイヤモンド

呪の金剛石

野村 胡堂

Lesen Sie 呪の金剛石 (のろいのダイヤモンド) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.393 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「もしか、ゆかりさんの帯揚には、ポケットが無かったかい」

「姉はそんな事が好きで、変なところに、変なカクシを作って居りましたよ」

妹は昏々として眠り続ける姉の顔――少しむくんで、見る影もなく日頃の美しさを打ち壊された姉の顔――を、痛々しく差しのぞき乍らこう申します。

「それだ、それだ」

私はもうそれ以上に聞く必要はありませんでした。そのまますっ飛んで社へ帰ると、社会部の腕利き、早坂勇――腕利きというよりは、足利きといった方がいいかも知れません――忠実で、根気がよくて、早坂は足で種を取ると言われた男ですが、これに大体の筋を打ち開けて、浅草の人造金の指環を売って居た、汚らしい西洋人を探し出してくれと頼みました。

「オーライ、半日待ってくれ、そいつの首根っこを捕えて引ずって来る」

早坂勇、一名「足の勇」は、郵便配達のような太い足を軽々と、ステッキを小脇に、浅草方面へと出動しました。

四

半日というのが、丸一日経っても「足の勇」は戻って来ません。

そんな事件より、もう少し新聞価値のある事件が沢山起って居るのにと、社会部長は苦い顔をして居りますが、一たん飛出したら最後、事件の真相を突き止めない内は、どんな事があっても帰って来ない「足の勇」