Japanische Klassiker mit Furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Lesen Sie 地上 (ちじょう) von 島田 清次郎 (しまだせいじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 175.250 Zeichen · 350 Bildschirme
小妻のようにあきらめ切って傍観する余裕をもつには年が若すぎ、冬子のように重苦しい威厳と沈黙で制えつけるには天稟が恵まれていなかった。お茂は泣きそうなのを堪えて茶の間へ出て来た。時子も出て来た。
「冬子姐さん、お早う」茂子は言った。
「お早う――あ、お茂ちゃん、わたしの小母さんよ。これから仕事に来て下さったのですの」
冬子は、黙って怒ったように楊枝を使っている時子にも声をかけた。
「時ちゃん、あなたもどうぞよろしくね」
「ええ」
時子とお茂は台所へ去った。お茂がお光に腰をかがめてゆくさまはいじらしかった。
「わたしも顔を洗って来ようかしら」
と、小妻は身体の痛みをいたわるようにそおっと起きて、台所の方へ行った。
「おう眠い、眠い、何だってこんなに早く起きたのだね、本当にしょうがないね」
大きな男のような鶴子の声がした。むっちりと肥えふとった上、半身を赤裸々に現わした鶴子は、茶の間に出て正面の時計の十一時近いのに頓狂な声を立てた。そしてだれ下った乳首を可愛そうに自分で吸ってみた。黒ずんだ乳首とだれた豊満な乳房とは、彼女が前生涯に子供を孕んだことを証明していた。
「こう見えても、まだ若いのだから」