Japanische Klassiker mit Furigana
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かべのめのかい
壁の眼の怪
江見 水蔭
Lesen Sie 壁の眼の怪 (かべのめのかい) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.253 Zeichen · 15 Bildschirme
困った事が出来た。恐らく或る個所で直芳がその娘に云い寄っている処を、その娘の許嫁の男でも見つけて、殺害したかも知れぬ。小露とやらがその娘で、六次三郎とやらが許嫁の男であろう。だが、この事を口外致すな」勝国手は考え込んでいた。
すると、捜索隊の一人が、山の古宮の境内の青萱の中から拾ったとて、美濃横綴じの手帳を持って来た。云うまでもなくそれは直芳の物で、途中の風景その他が写し取ってあった。それには美しき娘の髪洗いの裸体画が書きかけにしてあるのが最後であった。
大炊之助もそれを見た。忽ち覚る処が有ったらしかった。けれども何とも口外せず、恐縮したのであった。髪洗いを見た他郷の人を殺すという事は、三面谷の秘密で、又それを決して好い事とは思っていぬからで、なるべく米沢藩に知れぬようにしたいと考えたのであった。
夜が明けてからであった。
「それでは拙者が自から捜索致そうで」
勝成裕が云い出した。こうなると大炊之助も従わずにはいられなかった。真先に行ったのは、例の古宮であった。祭神は単に山の神とのみ、委しくは分らなかった。
先ず成裕は御手洗に手を清めて社参すべく拝殿に向い、鈴を鳴らそうとして、手綱の蛇の首に眼が着いた。