Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よあけまえ

夜明け前

島崎 藤村

Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme

Aozora Bunko

金兵衛はまた石屋に渡した仕事もほぼできたと言って、その都度句碑の工事を見に吉左衛門を誘った。二人とも山家風な軽袗(地方により、もんぺいというもの)をはいて出かけたものだ。

「親父も俳諧は好きでした。自分の生きているうちに翁塚の一つも建てて置きたいと、口癖のようにそう言っていました。まあ、あの親父の供養にと思って、わたしもこんなことを思い立ちましたよ。」

そう言って見せる金兵衛の案内で、吉左衛門も工作された石のそばに寄って見た。碑の表面には左の文字が読まれた。

送られつ送りつ果は木曾の龝  はせを

「これは達者に書いてある。」

「でも、この秋という字がわたしはすこし気に入らん。禾へんがくずして書いてあって、それにつくりが龜でしょう。」

「こういう書き方もありますサ。」

「どうもこれでは木曾の蠅としか読めない。」

こんな話の出たのも、一昔前だ。

あれは天保十四年にあたる。いわゆる天保の改革の頃で、世の中建て直しということがしきりに触れ出される。村方一切の諸帳簿の取り調べが始まる。福島の役所からは公役、普請役が上って来る。尾張藩の寺社奉行、または材木方の通行も続く。