Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
木曾の山の中にいて想像したと、出て来て見たとでは、実にたいした相違であることをも感じた。
「半蔵さん、きょうは国へ手紙でも書こう。」
「わたしも一つ、馬籠へ出すか。」
「半蔵さん、君はそれじゃ佐吉を連れて、あす平田先生を訪ねるとしたまえ。」
とりあえずそんな相談をして、その日一日は二人とも休息することにした。旅に限りがあって、そう長い江戸の逗留は予定の日取りが許さなかった。まだこれから先に日光行き、横須賀行きも二人を待っていた。
寿平次は手を鳴らして宿のかみさんを呼んだ。もうすこし早く三人が出て来ると、夷講に間に合って、大伝馬町の方に立つべったら市のにぎわいも見られたとかみさんはいう。芝居は、と尋ねると、市村、中村、森田三座とも狂言名題の看板が出たばかりのころで、茶屋のかざり物、燈籠、提灯、つみ物なぞは、あるいは見られても、狂言の見物には月のかわるまで待てという。当時売り出しの作者の新作で、世話に砕けた小団次の出し物が見られようかともいう。
「朔日の顔見世は明けの七つ時でございますよ。太夫の三番叟でも御覧になるんでしたら、暗いうちからお起きにならないと、間に合いません。