Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
軍艦から打ち出す大筒の礼砲は近海から遠い山々までもとどろき渡る。かねての約束のとおり、奉行は一言をも発しないで国書だけを受け取って、ともかくも会見の式を終わった。その間半時ばかり。ペリイは大いに軍容を示して、日本人の高い鼻をへし折ろうとでも考えたものか、脅迫がましい態度がそれからも続きに続いた。全艦隊は小柴沖から羽田沖まで進み、はるかに江戸の市街を望み見るところまでも乗り入れて、それから退帆のおりに、万一国書を受けつけないなら非常手段に訴えるという言葉を残した。そればかりではない。日本で飽くまで開国を肯じないなら、武力に訴えてもその態度を改めさせなければならぬ、日本人はよろしく国法によって防戦するがいい、米国は必ず勝って見せる、ついては二本の白旗を贈る、戦に敗けて講和を求める時にそれを掲げて来るなら、その時は砲撃を中止するであろうとの言葉を残した。
「わたしはアメリカの船を見ました。二度目にやって来た時は九艘も見ました。さよう、二度目の時なぞは三か月もあの沖合いに掛かっていましたよ。そりゃ、あなた、日本の国情がどうあろうと、こっちの言い分が通るまでは動かないというふうに――槓杆でも動かない巌のような権幕で。