Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
ほんとうでしょうか。まあ、わたしたちから見ると、優しい風俗だと思いますがなあ。」
「気味悪く思うのはお互いでしょう。事情を知らない連中と来たら、いろいろなことをこじつけて、やれ幕府の上役のものは西洋人と結託しているの、なんのッて、悪口ばかり。鎖攘、鎖攘(鎖港攘夷の略)――あの声はどうです。わたしに言わせると、幕府が鎖攘を知らないどころか、あんまり早く鎖攘し過ぎてしまった。蕃書は禁じて読ませない、洋学者は遠ざけて近づけない、その方針をよいとしたばかりじゃありません、国内の人材まで鎖攘してしまった。御覧なさい、前には高橋作左衛門を鎖攘する。土生玄磧を鎖攘する。後には渡辺華山、高野長英を鎖攘する。その結果はと言うと、日本国じゅうを実に頑固なものにしちまいました。外国のことを言うのも恥だなんて思わせるようにまで――」
「先生、肉が煮えました。」
と十一屋は瑞見の話をさえぎった。
女中が白紙を一枚ずつ客へ配りに来た。肉を突ッついた箸はその紙に置いてもらいたいとの意味だ。煮えた牛鍋は庭から縁側の上へ移された。奥の部屋に、牡丹屋の家の人たちがいる方では、障子をあけひろげるやら、こもった空気を追い出すやらの物音が聞こえる。