Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
。一日の勤めに前後三日、どうかすると四日を費やし、あまつさえ泊まりの食物の入費も多く、折り返し使わるる途中で小遣銭もかかり、その日に取った人馬賃銭はいくらも残らない。ことさら遠い村方ではこの労役に堪えがたく、問屋とも相談の上でお触れ当ての人馬を代銭で差し出すとなると、この夫銭がまたおびただしい高に上る。村々の痛みは一通りではない。なかなか宿駅常備の御伝馬ぐらいではおびただしい入用に不足するところから、助郷村々では人馬を多く差し出し、その勤めも続かなくなって来た。おまけに、諸色は高く、農業にはおくれ、女や老人任せで田畠も荒れるばかり。こんなことで、どうして百姓の立つ瀬があろう。なんとかして村民の立ち行くように、宿方の役人たちにもよく考えて見てもらわないことには、助郷総代としても一同の不平をなだめる言葉がない。今度という今度は、容易に請状も出しかねるというのが助郷側の言い分である。
「いや、大やかまし。」と得右衛門は言葉をついだ。「そこをわたしがよく説き聞かせて、なんとかして皆の顔を立てる、お前たちばかりに働かしちゃ置かない。奉行所に願って、助郷を勤める村数を増すことにする。