Japanische Klassiker mit Furigana
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むゆうびょうしゃのし
夢遊病者の死
江戸川 乱歩
Lesen Sie 夢遊病者の死 (むゆうびょうしゃのし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.121 Zeichen · 22 Bildschirme
である。
伯爵家からの電話によって間もなく警察官の一行がやって来たが、中に警察医も混っていて、先ず取あえず死体の検診が行われた。その結果、彦太郎の父親は「鈍器による打撃の為に脳震盪」を起したもので、絶命したのは昨夜十時前後らしいということが分った。一方彦太郎は警察署長の前に呼び出されて、色々と取調べを受けた。伯爵家の執事も同様に訊問された。併し両人とも何等警察の参考になる様な事柄は知っていなかったのである。
それから現場の取調べが開始された。署長の外に背広姿の二人の刑事が、色々と議論を戦わせながら、併し如何にも専門家らしくテキパキと調査を進めて行った。彦太郎は伯爵家の召使達と一緒にぼんやりとその有様を眺めていた。彼は余りのことに思考力を失って了って、その時まで、まだ何事も気附かないでいたのだ。一種の名状しがたい不安に襲われてはいたけれど、併しそれが何故の不安であるか、彼は少しも知らなかったのである。
そこは庭とは云っても、彦太郎の家の裏木戸の外にある方四五間の殺風景な空地なので、彦太郎の家と向い合って伯爵家の三階建ての西洋館があり、右手の方は高いコンクリート塀を隔てて往来に面し、左手は伯爵家の玄関に通ずる広い道になっている。