Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
「行きました」
「どうですか、いいところですか」
「そうさ、人によってだが、わたしはあまり好かないよ。山陽にいわせると、天下第一等のところになっているが、山陽という男が、その実あんまり歩いてはいないのだからな。それに漢学者流の誇張で書きまくっているのだから、行って見て感心する人より、失望する者が多いだろう」
「山陽は足跡海内にあまねしとか、半ばすとか自慢をしていますが、この辺までは来たことはないでしょう」
「ないとも。耶馬渓を見てさえあのくらいだから、この辺から神高坂、穂高、槍、大天井あたりの景色を見せたら、仰天して、心臓を破裂させてしまうかも知れない。妙義だって、よくは見ていないのだ……雲霧晦冥の時の妙義を、上州と信濃のある地点から見て見給え、とても、耶馬渓あたりの比ではないのだよ」
「時に、四面もうみな雪ですね」
「ああ、四面みな雪で懐ろだけが、こうしてあたたまっている」
二人は猪をパクつきながら、一盞を試みている。
万葉集を行李の中から取り出して、ここに持ち来すべく出て行ったお雪は、廊下でバッタリと男妾の浅吉に出逢いました。
浅吉は、気の抜けたような面をして、手に櫛箱を提げながら、通りかかって来たものですから、