Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
たとえば、一方においてこれらの人間に聞かれないところの、ある物蔭において、雇人たちのゴシップを聞いてごらんなさい。大体こんなようなことを言っているのです。
この火事の前、お銀様が烈しく怒っていた。それは何の因縁だかわからなかったが、今晩の怒り方は、いつもよりもいっそう烈しかったということである。
そこへ、例の弟の三郎が入って来た。実は三郎が来たためにお銀様が、そんなに怒り出したのかも知れない。その前後のことはわからないが、とにかく、三郎様も火のように泣き出した。そうすると、奥様が――つまり三郎様には実の母親、お銀様には継母であるところの――奥様が今日はまたそれについて、烈しい御立腹のようであった。
火事! といった時、火の廻りの早かったこと。それは油か、煙硝かの助けがなければ、到底こんなに早く火が廻るはずがないと思われたほど早かったと、その場に居合わせたもののように言う者さえある。
その結果、ついに、つい今まで三人の方の行方不明となったので、弁信だけはつけたりになっている。
これらのゴシップは、日頃が日頃だけに、だれの頭にも、多大の疑惑を植えつけぬということはない。