Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
「何がどうして、おいらが男らしくねえんだ」
「だって、いったん承知をしておきながら」
「いったん承知? 何を」
「奥の間がいけないから、ここへ泊めてくれることを……」
「そりゃ、お前の勝手だよ、泊ろうと泊るまいと、本来お前の持物なんだ、おいらの承知もなにもあったものじゃあねえ」
「でも、米友さんが留守居をしている以上は、米友さんの許しを得なければなりますまい。まあ、それはどうでもいいとして、第二のお頼みも承知してくれたくせに」
「それだ――その第二の頼みというやつがわからねえんだ、おいらの方ではうやむやなんだ、お前の方だけで、ひとり合点をしているんだ」
「そんなことを言っても、もう駄目よ、黙っていることに、友さんは充分、わたしに好意を持って、わたしの頼みなら何でも聞いてくれる心持を充分持ちながら、生返事をしたんだから、わたしとしては、立派に友さんを承知させてしまったと受取っているのよ、それを今になって、とやかく言うなんて、友さんらしくもない、男らしくもない、女の腐ったようだ」
「こりゃ、手厳しい!」
と米友が眼を円くしながら、
「そりゃ、おいらだって、頼まれりゃ、男と見込まれなくったって、していい仕事ならすらあな、まして、お前とおいらの仲は他人じゃあねえ」