Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

伊東も木像を相手にする気にもなれず、

「そんなことは、ドチラでもかまわん、進退が自由だとすれば、僕のところへ来給え、ついこの上の高台寺月心院に、御陵衛士隊屯所というのがそれだ、貴殿が来てくれれば、死んだ芹沢も喜ぶに相違ない」

と言って誘いかけてみました。

それでも、相手がウンともスンとも言わないので、伊東もあぐねて、もう相手にせず、そのまま橋詰を歩き出して、南側の、以前見た焼跡の板囲いのあたりまで来てしまいました。

そうすると、ようやく長い立話を終った斎藤一が、菊桐御紋章の提灯をたずさえて、ここへ近づいて来て、

「いやどうも、旧友に出逢ったので、つい話が入り組んで……」

申しわけたらたら近づいて来たのですが、山崎はついて来ない。橋上にも、橋詰にも、その姿を見ることができない。ドコへか消えてなくなったようなものです。

四十八

伊東と斎藤とは、そこでまた一緒になって、斎藤が御紋章の提灯をさげて先に立つと、伊東が、

「今そこで、拙者も変な人間に出会ったよ、一時は幽霊かと思ったがな」

「誰にですか」

「全く意外な男だ、それ吉田竜太郎――本名は机竜之助という、先年島原から行方不明になったあの男が、今、ひょっこりと、その橋詰の柳の木の下に立っている」