Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「大変とは?」
「あの離れの中二階で、お登和さんが……こうして」
「どうして?」
仲居の女はこうしてと言って、血相が変って口が利けないのを手で補って、咽喉を掻き切る真似をしたのですから、備前屋の主人は仰天しました。
「お登和が咽喉を突いたと!」
盗賊は大きくとも物品に関することであるが、ここに報告されて来た第二の大変は人命に関することでありました。
「みんな早く……」
主人は先へ立って飛んで離れの中二階へ来て見ると、屏風もなにも立て廻してはなく、八畳の間いっぱいに血汐。蘇枋染を絞って叩きつけたようなその真中に突伏した年増の遊女――それは昨晩、間の山節をここで聞いた女、また手紙と金とをお玉にそっと渡して頼んだ女、ここではお登和と呼ばれている女――
「ああ、やったな、危ないとは思ったが、とうとうやったな。早く脈を見てみるがいい、気味の悪いことがあるものか、血だ、血だ、血で辷ってはいけない、刃物を取ってしまえ、刃物に触ると怪我をする」
「あっ!」
主人が指図して雇人が抱き起して見ると凄い、咽喉笛を掻き切ったのは堺出来のよく切れる剃刀で、それを痩せこけた右の手先でしっかり握って、左の手を持ち添えて、力任せに掻き切って抉ったもので、そこから身体中の血という血はみんな出てしまって、皮膚の色は蝋のように真白くなっているところへ、