Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
それでも一同は額面そのものに堪能して、一心にながめていると、
「あれは安達ヶ原の鬼婆の絵ではありませんよ」
従来の説明を一挙に覆したのは、宗匠頭巾をかぶって、十徳を着た背の高い老人。やや離れたところに立っておりました。
「え、あの憎らしいのが、安達ヶ原の鬼婆ではありませんのですか」
「ええ、安達ヶ原の鬼婆とは違います、よくあれを見て、間違えてお帰んなさる人がありますよ」
「へえ、そうですか、ありゃ鬼婆じゃねえのだとさ」
「そうですか」
十徳の老人は、気の毒に思って、
「あれはねえ、石の枕の故事をうつしたものなんで。昔、この界隈がまだ草茫々としていた時分に、この近所にあの婆さんが住んでいたものです。こっちにいるのは婆さんの一人娘なんですが、この娘が容貌よしだもんですから、往来の人を連れ込んで泊らせ、石の枕へ寝かしておいて、寝ついた時分に、その旅人の頭を、あの鉈で砕いて……出刃ではありません、鉈でしょう、そうして持物を奪い取ることを商売にしていたのです。娘がそれをあさましいことに思って、自分が旅人の装をして身代りに立ち、婆さんの手で殺されてしまったのです。さすがの鬼婆も、間違って自分の最愛の娘をころしてしまったものですから、遽に発心して、ついに仏道に入ったというところをかいたもので、あのお稚児さんは、その晩泊った旅人、