Japanische Klassiker mit Furigana
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いきにんぎょう
天狗笑い
豊島 与志雄
Lesen Sie 天狗笑い (いきにんぎょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.400 Zeichen · 44 Bildschirme
王子はそこの岩の上に立って眺めました。城や町はもうひとつの点ぐらいにしか見えませんでした。土饅頭ぐらいな、なだらかな丘が起伏して、その先は広い平らな野となり、緑の毛氈をひろげたような中に、森や林が黒い点を落していて、日の光りに輝いてる一筋の大河が、帯のようにうねっていました。
「もうこれきりにしようか」と老人がいいました。
王子はまた夢からさめたような気持で、老人の顔を眺めました。それから、うしろの方の一番高い山の頂を指しました。
「あの山の上へ行こう」
老人が杖を振ると、二人はまた宙を飛んでその山の上へ行きました。
王子はびっくりしました。その山が一番高いのかと思っていましたのに、きてみると、さらに高い山が向うに聳えています。王子はいいました。
「あの山の上へ行こう」
老人と王子とはまたその山の頂へ行きました。すると、さらに高い山がまた向うにでてきました。もう下の方を見廻しても、積み重った山や遠い野が少し見えるきりで、初めのような美しい景色は眼にはいりませんでした。薄黒い雲がすぐ前を飛んで行きました。
「あの山の上へ行こう」と王子は向うの高い山を指していいました。