Japanische Klassiker mit Furigana
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いきにんぎょう
天狗笑い
豊島 与志雄
Lesen Sie 天狗笑い (いきにんぎょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.400 Zeichen · 44 Bildschirme
それからは、猿は大きな鬼の人形をこしらえ、甚兵衛は荒れはてた寺を尋ねて歩きました。ちょうど都の町はずれに、大きな古寺がありましたので、甚兵衛はそっと中にはいりこんで様子を窺ってみますと、畳もなにもないような荒れはてた本堂のなかに、四、五人の男が坐って、なにかひそひそ相談をしていました。よく見ると、それがあの盗賊どもではありませんか。甚兵衛はびっくりして、見られないように逃げだしてきました。そして猿にそのことを告げました。
「もう大丈夫です」と猿はいいました。「人形は盗賊どもの所にあるに違いありません。私が行って取りもどしてきましょう」
甚兵衛は危ながりましたが、猿が大丈夫だというものですから、そのいうとおりに従いました。
晩になりますと、二人は鬼の人形をかついで、盗賊の古寺へ行きました。それから猿は人形の中にはいって、一人でのそのそ本堂にやってゆきました。本堂の中には蝋燭が明るくともっていましたが、盗賊どもは酒に酔っ払って、そこにごろごろ眠っていました。
「こら!」と猿は人形の中から大きな声でどなりました。
盗賊どもはびっくりして起きあがりますと、眼の前に大きな鬼がつっ立ってるではありませんか。