Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.713 Zeichen · 28 Bildschirme
五
「叶わないなア、そのうちに拳闘か野球でも観に行って、東京の良さを満喫させるとしよう」
「ところでお兄様」
「何んだ」
寿美子は妙に改まりました。
「私、東京へ着いたら、直ぐお兄様にきこうと思ったの、――あの、夢子ってどんな女?」
「――――」
「隠さなくたって宜いワ、お姉様から皆んなきいて知っているんですもの」
寿美子は激しい調子で追及しました。
「つまらない女だよ、――活動の女優崩れの」
卓二は噛んで吐き出すような調子です。
「でも、奇麗だったんでしょ、あんな奇麗な私のお姉さんに勝った位だから」
「飛んでもない――由紀子の方がはるかに美人さ、ただ少しさびしかっただけなんだ」
「まア」
「寿美子さんとは比べものにならないよ、活動の女優に要求されるのは、変った個性で美しさじゃないんだ。まして無教養で、無恥で、起きてから寝るまでお芝居をして居る女は、どんなものか考えてみるが宜い」
「まア」
寿美子は呆気に取られました。その女のため、姉の由紀子が命を縮めたことを考えると、卓二の言葉は何処まで信じて宜いかわからなかったのです。
五
寿美子は健康を撒き散らし乍ら傍若無人さを極めました。