Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.713 Zeichen · 28 Bildschirme
四
「歓迎して下さるでしょうね、お兄様」
「そりゃ歓迎するとも」
「では」
寿美子は極めて自然に、外国人のような態度で、握手を求める手を差出したのです。
「いや、よく来てくれました、待っていたよ」
そう言い乍ら少しあわてて握り返した卓二の掌の中に、寿美子の小さい手は、冷たく柔かく、そして消え込みそうにふるえているのです。
「違う、違う、全く違う」
卓二は口の中で言いました。寿美子の明けっ放しな無遠慮な態度は、陰気で慎しみ深かった姉の由紀子とは、あまりにもひどい違いようです。
四
寿美子の登場は、夢子が殺されてから、とかく世間からも白い眼で見られていた小杉卓二に取っては、大いに生活の張り合いでもあり、生命のうるおいでもありました。
少し落着いてからの話によると、北海道の生活にも飽きているところへ、札幌の会社は解散したので、とも角身一つで東京へやって来て、小杉卓二を頼りに、新しい仕事でも見付けたいというのです。
「仕事? そんなものは何うでも宜いさ、暫らくここに遊んでいるが宜い、――ところで寿美子さん、何が得意なの」
卓二は職業紹介所の主人みたいに、こんな事をきくのでした。