Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.713 Zeichen · 28 Bildschirme
「――――」
「あなたはポーの小説『早過ぎる埋葬」を読んだことがあるでしょう。由紀子はあまりの嘆きに気を喪ったのを、薄情にあなたは厄払いをした心持で、医者の診断書をごま化して、一昼夜も経たないうちに葬ったではありませんか」
「――――」
「私――由紀子の死んだのを心から悲しんだHさんは、せめて私の死に顔を見る積りで、その晩そっと忍んで行って私の墓地を発掘しました。それは法律上恐ろしい罪ではあるでしょうが、その代り早過ぎた埋葬のために、生きながら葬られた私は、再び大気の中に掘り出されて、Hさんの腕の中で息を吹き返したのです」
「うそだ」
「うそか、うそでないか、由紀子を葬った墓地へ行って念入に調べて御覧なさい――あなたは由紀子が葬られてから、まだ一度も墓まいりさえしたことはないでしょう」
「――――」
「それがいやなら、札幌へ人をやって、もう一度念入に調べて御覧なさい。私の妹の寿美子は相変わらず札幌で他の会社に勤めていることが解るでしょう。寿美子と私は双生児の姉妹には相違ありませんが、顔も気風も少しも似てはいません」
「――――」
「さア、結婚しましょう、墓場から出て来た、この私――あなたの妻と、もう一度結婚しましょう。