Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.235 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

それから暑い夏が過ぎて、秋が深くなると、町々には又納豆売の姿が現われ始め、窓の外にも時々納豆屋が来ました。が、あの美しい声の孝行娘はもう、二度と姿を現わさなかったのです。私はその少女の家を捜すことに、幾日か没頭しました。古い新聞を取出したり、漸く一年前の孝行娘の納豆売の記事を見つけて、根津八重垣町のその娘の家へそっと訪ねて行きましたが、それはもう半年前に取払われて、工場になって居りました。近所のお神さんに聞くと、孝行娘の納豆売は、母親が死んだので金持の伯父に引取られ、人力車に乗って何処かへ連れて行かれたということでした。それから四年の間、私は毎朝納豆を買って食べたのです。英一蝶の島で作ったクサヤの乾物を捜した晋其角のような熱心さで、――がしかし、それっきり私は孝行娘のあの可愛らしくいじらしい納豆売にめぐり逢う機会を持たなかったのです。私はどうしてあの娘が姿を見せているうちに、その所番地を訊いて訪ねて行き、微力ながら引取れるものなら引取って芸術的な教育でもしてやらなかった事が、私の悔いは果てしもありません」

江守銀二は食物の話から脱線して、妙な回想談になってしまいました。