Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.531 Zeichen · 23 Bildschirme
少くとも我々は、第三次元の世界なる現代に生れて、遅配に悩んだり、食糧の買出しをしたり、暴力行為の流行に腹を立てたりして居る間に、第四次元の世界に同時に生活して恋をしたり、御馳走をたべたり、帝王になったり、ルンペンになったりして居ないとも限りません。
或人は、極楽とか天国とかいうものは、無神論者のいうような決して無いものでは無く、唯肉体的な我々の経験し意識し得る、時間や空間の制約を超越した、一つの状態だと申して居ります。「状態」とはまことに良い言葉ではありませんか、黄梁の饌の出来上るまでに五十年の生活を経験した夢も、この意味に於ては時間と空間の約束を飛躍した「状態」では無いでしょうか。
つまりは――私の言葉が聊か冒涜的になるのをお許し下さい、――天国と云い地獄というのも第四次元の世界でないと誰がいい切れるものでしょう。詩聖ダンテが天使に案内されて巡ったのは、即ちこの第四次元の世界だったとも考えられるのであります。
天国に結ぶの恋は、即ち第四次元の世界へ期待した恋ということになるのかもわからず、毎夜我々のために窓をひらいてくれる夢の国は、天国と地獄の消息を我々に伝えてくれる不思議なテレヴィジョンとも見られるのです。