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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.531 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

四

二人はその紙一枚の隔ての左右に何方がプロポーザーになるか、――いや男がイニシヤティヴを取るのを、苗子が焦々しながら待って居る様子だったのです。

ところが、第四次元の国の錦小路苗子は、何という冷たいことでしょう。お互の心が心を、何の隔ても無く無造作に読み取ることの出来るこの国の不思議なラジオも、錦小路苗子に於ける場合は、全く無感能で、冷静で、些かの愛情も、優しさも、いや好奇心さえも示してくれないではありませんか。

そのくせ第四次元の国の一切の事象は、苗子の放射能で一パイになって居るのです。京極三太郎は、苗子の顔を見、苗子の声を聴き、苗子の体臭を嗅ぎ、苗子を呼吸して居たのです。

四

それと反対に現実の国の矢留瀬苗子は、一日一日と京極三太郎に親しさを加えて行きました。それは存分に魅力的であり、恋人として申分のない美しさと聡明さを持って居りましたが、夢の国の錦小路苗子に比べて、魅力は末梢的であり、部分的であり、そして著しく官能的で肉体的でさえあったのです。

「あなたは、錦小路家というのを知っていますか」

「あら」

突然として放った京極三太郎の問が、ひどく矢留瀬苗子を驚かした様子ですが、間もなくその聡明さにカモフラージュされて、