Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.531 Zeichen · 23 Bildschirme
五
心から心に通う放射能は、プラスからマイナスに流れる電流に外ならなかったのです。苗子が考えて三太郎が感じ、三太郎が燃焼して苗子が渾発するのです。其処には恋の技巧もなく、素より恋の詐術もある筈はありません。
京極三太郎は、こうして渾然として恋の楽土に住み、理想的なベター・ハーフの苗子と共に、自分達二人だけの夜の世界に君臨したのでした。
五
一方現世の京極三太郎には、思いも寄らぬ大事件が起りました。それは横里鯨之進という有名な辣腕の記者が、大阪の支局から本社詰になって赴任して来たのでした。
横里鯨之進は無恥で横着で、申分のない俗人でした。年は京極三太郎より二つ三つ上ですが、ちょいと好い男で、才気走っていて、そして申分なく薄情な男だったのです。換言すれば若い女を見ると、直ぐ猫撫声になって、半可な文学論か、仕入の悪い映画通を並べて殆んど無技巧にその心を捉える術を心得ているのでした。
この男の出現は「東京ポスト」に革命を起したと云っても必ずしも嘘では無かったでしょう。
嘘つきで薄情で怠け癖のある記者は、少しばかりの才能はあったにしても、決して有力な存在にはなれないのですが、「東京ポスト」