Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじんぶつ
好人物
佐々木 邦
Lesen Sie 好人物 (こうじんぶつ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.609 Zeichen · 107 Bildschirme
と安子さんはもう好い加減にする積りだったが、茶化されたので、突如結論を口走ってしまった。
「それはお前、感情問題じゃないか? 好い品を安く買うのが主婦の腕だ」
「それじゃ越後屋の方は何うなさいますの? 断りますの?」
「断るさ」
と千吉君も行きがかり上仕方がない。
「けれどもあなた、お米を断りますともう電話が借りられませんよ。お米はお断りで電話丈け拝借とは参り兼ねますからね」
「それは些っと困るね」
「大変困りますわ。越後屋のお蔭でこんな不自由なところも辛抱出来るんですからね」
「それじゃ半々にしようじゃないか」
「半々にしても急に註文が耗れば変に思われますわ。何だって又二俵なんて取ったんでしょうね!」
「それぐらい要ると思ったからさ。宜いさ、耗るものでもなし」
「虫がついてしまいますわ。それに場所塞げですわ」
「まあ/\、そんなに言ってくれるな。悪い料簡で取ったんじゃない」
「でも家では日に一升一合しか要りませんよ。唯二銭二厘儲ける為めに電話が借りられなくなったんじゃ詰まらないじゃありませんか?」
「それじゃ二俵丈けで後は断ることにしよう。代金を俺が負担すれば文句もあるまい」