Japanische Klassiker mit Furigana
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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
Lesen Sie 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.508 Zeichen · 236 Bildschirme
テヘッ」
おでこをポンと叩いた。大きな音がした。そしてそのせいか、――末すぼまりのとっくりズボンの、見るからに何か心もとない足もとを、よろよろとさせるのだった。
「ゴロちゃん。……」思わず私は叫ぶように言うと、
「それなんで」
と奇怪なレヴィウ役者は独り合点をして、
「それが面白いんで」パンと手を打つ。
「何が?」
それに答えず、
「気がついて見ると、驚くなかれ、なんにもないんだ。そしてドロン」
「何がないのさ」
「道具。鮎ちゃんの道具。利口な女ですね、あの女は。――あの女は豪遊な道具を持ってるなア」
「はじめから話してくれよ」
すると相手はキョトンとした顔でしばらく私を見ていたが、
「寂しかった? こう言うんですよ」
「フンフン、上海から帰ってね」
「ああ、寂しかったよ。(これはゴロちゃんの言葉のはずなのに、女の声のようにして言って)ところがね、鮎ちゃんは、諸君驚くなかれ、あんまり驚かせろ! 上海で男をつくって、その男と手に手を取って帰ってきたんだが、ちっともそんな気振りを見せない。だから、こっちはちっとも知らない。そのうち鮎ちゃんは自分の道具をひとつふたつとアパートから運び出して、気がつくと、なんにもない。