Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

Lesen Sie 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.508 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

小さく刻んだ薬味の葱は鍋のなかで堆高く山を築いた。

「書きにくいでしょうな」

「それを、やっと書いたんです。さっきは自信があると言ったが、自信より苦心ですな。とても苦心しただけに突っ返されると、くやしくて……」

鍋の鯰が突如、髭をピクリとあげた。へえッと驚いた次の瞬間、ぐにゃりとなって、もう大分熱くなったはずのしたじのなかに沈んで行った。私は何か心穏やかでなかった。

「ちっともおもしろくない、ユーモア小説じゃないと言うんですよ。編集の奴に、その味はわからんのですな」

朝野はもう銚子を空にしていた。

「僕が払うですよ、僕が」

朝野はまるで喧嘩腰だった。そこを出て、国際通りに行くと、

「K劇場へちょっと行ってみるですかな」

私は迎え酒ですっかり真赤になった顔を撫でつつ、

「白昼酔っ払って行くのは、どんなものですかね」

「かまわんじゃないですか」

「しかし……」

向い側に渡って、漫才小屋のT館の方へ足を進めた。K劇場の楽屋口はその裏手にある。

「行ってみようじゃないですか」

「さあ……」

ためらう私の眼に、向うから洋服に草履ばきでやってくる末弘春吉の姿が映った。末弘もすぐ私を見つけて、T館の前で足をとどめて、やあこれはといったうなずきを示した。