Japanische Klassiker mit Furigana
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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
Lesen Sie 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.508 Zeichen · 236 Bildschirme
知らなかったものだからと詫びながら、――(今まで、ここで彼女が飲んでいるのを見たことがなかった。)急いで盃を乾した。そしてそれを彼女に回そうとして、ふと何かなれなれしすぎると反省され、
「盃を持ってらっしゃい」
「――あまり飲めないんだけど」
躊躇が来たのか、動こうとしないので、
「おばさん。――盃をひとつ」
台所に声をかけた。
「いえ、あたし……」
立ち上って、細君に、
「――お姉さん、あたし、お酒飲むわ」
訴えるような声だ。
「おや、おや、ミーちゃん。大丈夫?」
「大丈夫ってなアに」
「なんだか知らないけど」
「大丈夫よ」
盃を持って戻って来て、
「お姉さんも、こっちへ来ない。一緒に飲まない?」
「――大変ね」
細君は取り合わぬ声で、
「――あんまり荒れないでちょうだい」
「荒れるかもしれない」
男みたいに言って、今度はしんみりと、だが別に聞かせる調子でなく、
「あたし、なんだか、急に但馬に会いたくなった」
「恋人?」
と、ここで私は戯けた調子で口を挟んだ。
「――ご亭主」はっきり言ってのけた。
「旦那さん、そう、――会ってらっしゃい」
めといった顔をして、銚子をさした。彼女はなんとなく鼻をすすって、こっちの戯けに乗らなかった。