Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

と遠くへ逃げてしまう。亭主の方も、存外臆病者と見えて、近寄って調べて見ようともしない。

そうしている所へ、折よく、川上から水上署の旗を立てた小型ランチがやって来た。それが近づくのを待って、船頭が声をかけると、「人間の腕」という言葉に、ランチの人々は気色ばんで、船を近寄せ、ドカドカと伝馬船に乗移って来た。

船頭と違って、水上署の人達は、土左衛門なんかに驚きはしない。二人のお巡りさんが、先を争う様にして、バケツに近づき、その指のついた白っぽいものを、最初はそれでも、少々無気味そうに、靴の先でチョイチョイ突いていたが、二人が目を見合せて、「こりゃ変だぞ、」という表情になったかと思うと、その一人が馬鹿に勇敢に、いきなりバケツの中へ手を突込むと、その生腕を、ヒョイと掴み上げた。

掴み上げて二三度、目の前でクルクルと廻していたが、やがて我慢が出来ないというように、突拍子もない笑声が爆発した。

「オイオイ、お前、これを何だと思っているんだ。こんなもので青くなってどうするんだ。よく見ろ。蝋細工じゃないか。人形の腕だよ馬鹿馬鹿しい」

如何にもそれは人騒がせな人形の腕に過ぎなかった。