Japanische Klassiker mit Furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
七つ道具
ハハハ……、そういう訳で、わしは君の用件をまだ少しも聞いていないのだが、察するに、君が態々わしを訪ねて来たのは、妖虫事件の引続きに違いあるまい。今度は君の妹さんが毒虫に狙われているのではないかね」
「エ、先生は僕の妹を御存知ですか」
「ウン、噂を聞いていないでもない。君の妹さんのミス・トウキョウは、若い者の間では、なかなか有名だからね。君が訪ねて来ると聞いた時、わしはすぐ蠍を思い出し、その次には、君に有名な美人の妹さんがあることを思い浮べた。そして、君の用件が何だかということも、大方は推察していたのだよ。春川月子はミス・ニッポン、相川嬢はミス・トウキョウ。妖虫の奴、なかなか虚栄心が強いと見えるね」
暗闇の中の老探偵の声が、何かしら意味ありげに聞えた。流石は三笠龍介氏、守青年の用件を予知していたばかりか、彼の気づき得ない何かの秘密まで洞察しているかに感じられた。
七つ道具
その時、突然、どこからとも知れず、人の声が聞えて来た。ラジオの様に、異様に響く声だ。
「探偵さん。気分はどうだね。淋しかろうと思って、一人友達を送って上げたが、お気に召したかね」
三笠氏の懐中電燈が、声する方へさし向けられると、その円光の中に、壁に仕掛けた黒い喇叭の口が照らし出された。