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Japanische Klassiker mit Furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

ただ人騒がせの悪戯にしては、余りにご念が入り過ぎているではないか。

それは兎も角、椿事はこれで終ったのではない。「煙突に生えた足」にも劣らぬ奇怪事が、殆ど時を同じうして、やはり銀座通りの、新橋に近いとある横町に起っていた。

一人の工夫が、下水の故障を調べる為に、そこの道路の真中に開いているマン・ホールの鉄の蓋を取りのけて、四ん這いになって、暗い地下道を覗いていたかと思うと、何ぜか真青になって、ヨロヨロと立上り、近くにいた同僚の工夫をさし招いた。

「オイ、ちょっと見てくんな。俺の目がどうかしているのかも知れない。変なものがいるんだ、こん中に」

「なにがよ」

「なにがって、マア覗いて見な。とてもシャンだからよ」

「シャンだって? お前夢でも見ているんじゃないか。下水だぜ、ここは」

あとから来た工夫は、こいつ気でも違ったのかと、変な顔をして、そのマン・ホールを覗いて見た。

小さい穴から射し入る空の光が、底を流れる黒い水を、薄ぼんやりと照らしている。その水の上に、覗いている工夫自身の顔が写っているのかと疑われる、一つの顔が、美しい女の顔が、流れもせずに浮んでいた。