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Japanische Klassiker mit Furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

姉さん、お前寒いのかい。いやに震えているね。ハハハハハハハハ」

雨戸を隔てている為か、その声は異様に物凄く聞えた。

「オイ、それゃいけない。猿轡を取るんじゃない。返事はしなくってもいいんだ。ただ俺の云いつけ通り、こっちへ出て来りゃいいんだ。ヤイ、出て来ないか」

猿轡をはめられている相手は、一体何者であろうと、好奇心に燃えながら見つめていると、細く区切られた眼界の、古畳の上に白いものが現われた。手だ。それから裸の膝だ。やっぱりそうだ。相手は若い女なのだ。手と膝小僧だけしか見えないけれど、この若い女は裸にされているのに違いない。

「オイ、山印、これでよく見えるだろう」

巨人の横顔が、山印という仲間に呼びかけたものらしい。

「ウン、見えるよ。すっかり見えるよ」

それは一種名状し難い、浪花節語りの様な嗄声であった。そいつが、どこにいるのかは、ちょっと見当がつかなかった。女が部屋の真中に出て来ないと、よく見えない様な場所に坐ってでもいるらしい。

「思う存分見てやるがいい。こいつはお前の敵なんだから」

「ウン、見ているよ。だが、そんなに坐っていたんじゃ面白くないね。突転ばしてやりなよ」