Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
新聞が「妖虫事件」という異様な見出しをつけて、この事件を報道したのも尤もであった。そいつは「妖虫」の名に価する怪人物に相違なかった。
では「妖虫事件」というのは、一体どの様な出来事であったか、それを語るには、順序として、先ず大学生相川守の好奇心から説き起すのが、最も適当かと思われる。
相川青年は、多くの会社の重役を勤め事業界一方の驍将として人に知られている相川操一氏の長男であって、大学法科の学生なのだが、彼の妹の珠子などが「探偵さん」という諢名をつけていた通り、人一倍好奇心が強くて、冒険好きで、所謂猟奇の徒であったことが、彼の長所でもあり弱点でもあった。ある晩のこと、日本橋区のある川沿いの淋しい区域にある、料理のうまいのと価の高いのとで有名なソロモンというレストランの食堂に、相川青年と、妹の珠子と、珠子の家庭教師の殿村京子との三人が、食卓を囲んでいた。月に一度ずつ、珠子が兄を誘って、殿村京子をどこかへ案内して御馳走する慣わしになっていて、今夜はソロモン食堂が選ばれたのだ。
珠子はまだ女学生であったから、けばけばしい身なりを避けていたけれど、でも鶯色のドレスが美しい身体によく似合って、輝くばかりの美貌は人目を惹かないではいなかったし、兄の守も、同じ血筋の美青年で、金釦の制服姿も意気に見えたのに比べて、殿村