Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
イヤ這い出したどころではない。その岩の中から、ニュッと短刀を持った人間の手が出て、わしの腰に斬りつけた。この岩さえ這い出さなければ、珠子さんは殺されずとも済んだのじゃ。
申すまでもなく、張り子の岩の中に何者かが潜んでおったのです。だが、あの岩は高さ三尺程で、囲りも極く狭かった。あんな小さな岩の中へ、一人の人間が隠れられるとは思えんのじゃ。それにも拘らず、そこには確かに人間が入っている。
わしは、こいつこそ、今度の殺人事件の原動力となっているのではないかと考えた。その奴は、支那カバン程の箱の中へも、三尺の張り子の岩の中へも、ゆっくり隠れられる程小っぽけな人間に違いない。しかも、その性質たるや残虐無類なのじゃ。わしは、そこまで考えた時、背中に水をあびせられた様に、ゾーッとしましたよ。
ところで、今聞くと、昨夜ここの庭で、守君が大蠍の怪物と組討ちをやった時、その蠍の衣裳の中に入っている奴の手応えが、実に異様であった。まるで子供みたように小っぽけな奴であったというが、考えて見ると、こいつがやっぱり、あの岩の中からわしを傷けた奴と同じ怪物に違いないのですじゃ。