Japanische Klassiker mit Furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
「マア、いやだ。この人は何を感違いしているんでしょう。お離しなさいったら」
殿村夫人がなおも白を切ろうとするのを見ると、三笠老探偵は、憤然として立上るや、ニューッと腕を伸ばして、夫人の顔の真正面を指さしながら、力強い声で云い放った。
「お前さんが犯人じゃ。……殿村夫人、もう観念したらよかろう。いくら低能な片輪者でも、自分の母親を間違える奴はない。その可哀相な子供は、お前さんの娘じゃろう」
すると、殿村夫人は、妙に顔を歪めて笑い出した。
「ホホホホホ、マア、何をおっしゃっているんです。こんなものの云う事が当てになるものですか。きっと気でも違っているのでしょう。それに、この私が、赤い蠍の首領でございますって? ホホホホホ、いくらなんでも、そんなことが、第一相川珠子さんにせよ、桜井品子さんにせよ、私にとっては大切な御主人なり、可愛い生徒さんじゃございませんか。それをどうして私が、……」
「お黙りなさい。お前さんがその二人の家庭教師であったという事が、とりも直さず犯人である証拠じゃ。上べは行いすました教師となって、餌食の身辺を離れず、ありとあらゆる手段を弄していたのじゃ。