Japanische Klassiker mit Furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
実にそれは、何か吐き気を催す様な、或は、いきなり笑い出し度い様な、余りにも度はずれな、珍妙で、おかしくて、しかも、ゾーッと腹の底から震えが来る底の、戦慄すべき諧謔であった。地獄の底のユーモアであった。
(アア、俺はやっぱり夢を見ているんだ。悪夢にうなされ続けているんだ。早く早く。誰かが叩き起してくれればいい)
相川青年は歯ぎしりを噛む様にして、手を握ったり開いたりしていた。
「イヤ、そうじゃなかった。被害者はやっぱり一人限りだ。ここにあるのは、死体の一部分に過ぎない。悪党め、何て真似をしやがるんだ」
司法主任はそれを確めて、憤激の叫声を揚げた。胴体は井戸に、手足は叢に。アア何という着想であろう。人ではない鬼だ。イヤ、鬼よりも気味悪い悪魔の国の赤蠍だ。
さて読者諸君、この恐ろしい着想は、化物屋敷という舞台から思いついた、悪魔の諧謔に過ぎなかったのであろうか。イヤイヤ、決してそうではなかったのだ。悪魔のカラクリには、凡て二重底、三重底の秘密があった。一見子供らしい悪戯の裏に、もう一つの意味が、見かけとは似ても似つかぬ、深讐綿々たる妖鬼の呪が隠されていたのだ。