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Japanische Klassiker mit Furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

俺は敵の罠にかかってしまったのだな)

心のどこかで、そんなことを感じながら、半ば無意識にグッタリなっている内に、天井の穴はパッと閉じられてしまった。

見れども見えぬ、黒暗々の地底の穴蔵だ。

咄嗟には何の思案も浮かばなかった。ただ兇賊の底知れぬ魔力に、あっけにとられるばかりであった。

だが、段々心が静まるにつれて、打身の痛さと、地底の冷気が、身にしみて感じられた。それよりも、彼を取り囲む文目も分かぬ暗闇が、云うばかりなく心細かった。

こんな所へ落込んだら、誰かが助けてくれぬ限り、二度と日の目を見ることは出来ないかも知れぬ。俺はこのまま永久に闇の底に閉籠められたまま、飢えと寒さに死んで行く運命なのではあるまいか。守は心弱くも、そんなことさえ考えた。

ふと気がつくと、闇の中に、何かしら物の気配が感じられる。どうやら呼吸の音の様だ。誰だ。若しや敵が命を奪いにやって来たのではないかしら。それとも、この穴蔵には、何かの獣が飼ってあって、そいつが、飢えた牙をむいて、ソロソロと餌物に近づいて来るのではあるまいか。

守は地面に横わったまま、首丈けをもたげて、じっと耳を澄ました。