Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうえいふんか

宝永噴火

岡本 かの子

Lesen Sie 宝永噴火 (ほうえいふんか) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.505 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

兵庫から船へ乗った。彼は思索に思い入りながらすぐ寝てしまった。颶風が襲って来た。今は船も覆るほどの大荒になって来た。船客も船頭も最早や奇蹟の力を頼まねばならぬ羽目になって髻を切って仏神に祈った。船は漸く港についた。そこで気の付いたことは船客中一人、慧鶴だけが騒ぎを知らずにまだ眠りつづけて大鼾を掻いていたことだ。まわりの者は呆れて怒った。しかし慧鶴は、すべてに関らず、眼が覚めると同時に眠中の無意識へ織り入れた思索の糸を再び覚めた意識の軌道上に取出して、また糸口を繋いだ。

何となく故郷の富士が気がかりになる数日が続いた。それに引付けられて、彼はそろそろ帰り途の方向に旅路を拾うようになった。伊勢へ来たときにある雲水から馬翁が重病にかかって而も介抱するものが一人もいないという話を聞込んだ。慧鶴は舌打ちした。あの超人の出来損い、またしても自分の弱い性情に附込んで繋縛となるのか。そうは思ったが、彼はやっぱり急に道筋を変え、美濃の檜木へ行った。彼は無言で馬翁の看護をした。馬翁は相変らず傲岸不屈な顔をして彼の介抱を受けた。しかし慧鶴が来てからぽつぽつ勢いがつき三月ほどのうちに病気はすっかり癒った。