Japanische Klassiker mit Furigana
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こはるのきつね
小春の狐
泉 鏡花
Lesen Sie 小春の狐 (こはるのきつね) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.102 Zeichen · 27 Bildschirme
」
いま畚を引上げた、水の音はまだ響くのに、翁は、太郎虫、米搗虫の靄のあなたに、影になって、のびあがると、日南の背も、もう見えぬ。
「しかし、様子は、霜こしの黄茸が化けて出たようだったぜ。」
「あれ、もったいない。……旦那さん、あなた……」
五
「わ、何じゃい、これは。」
「霜こし、黄い茸。……あはは、こんなばば蕈を、何の事じゃい。」
「何が松露や。ほれ、こりゃ、破ると、中が真黒けで、うじゃうじゃと蛆のような筋のある(狐の睾丸)じゃがいの。」
「旦那、眉毛に唾なとつけっしゃれい。」
「えろう、女狐に魅まれたなあ。」
「これ、この合羽占地茸はな、野郎の鼻毛が伸びたのじゃぞいな。」
戻道。橋で、ぐるりと私たちを取巻いたのは、あまのじゃくを訛ったか、「じゃあま。」と言い、「おんじゃ。」と称え、「阿婆。」と呼ばるる、浜方屈竟の阿婆摺媽々。町を一なめにする魚売の阿媽徒で。朝商売の帰りがけ、荷も天秤棒も、腰とともに大胯に振って来た三人づれが、蘆の横川にかかったその橋で、私の提げた笊に集って、口々に喚いて囃した。そのあるものは霜こしを指でつついた。あるものは松露をへし破って、チェッと言って水に棄てた。