Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまとゆきのにっき

山と雪の日記

板倉 勝宣

Lesen Sie 山と雪の日記 (やまとゆきのにっき) von 板倉 勝宣 (いたくらかつのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.279 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども再び上高地に下りて行くと、柳が芽をふいて、鶯の声がのどかにひびいてきた。温泉に入って、雪から起き上った熊笹と流れに泳ぐイワナを見た時に再び春にあった心地がした。

春の山は、雪が頑張ってはいるけれど、下から命に溢れた力がうごめいているのがわかる。いたるところに力がみちている。空気は澄んで、山は見え過ぎるほど明らかに眺めることができる。夏の山より人くさくないのが何よりすきだ。これからあの辺の春の山歩きについて気のついたことを書いて見る。まず槍のピークについていわねばならない。

槍沢の雪崩は想像以上に恐ろしい。どうしても雪崩の前に行かねば危険でもあるし時間も損をする。

小屋から槍の肩まで、ただ一面の大きなスロープである。急なところとところどころになだらかなところは出てくるけれど、坊主小屋も殺生小屋も大体の見当はついてもはっきりとは判らない。ただ雪の坂なのだから。小屋から坊主とおぼしき辺まで、カンジキで一時間半とみればいい。スキーでもほぼ同じではあるが雪の様子でこの時間は違ってくる。時間を気にしないのならば肩までスキーで登ることができる。ただし一尺ばかり積った雪の下は氷なのだから、上の雪が雪崩れたら、アイスクリーパーの外は役にたたないが、それは恐らく四月末のことであろう。