Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
「……山羊髯のオジサン。ちょっと待って下さい。実はその現在一文もお金が無いのです。僕を採用するならするでイクラカ前貸しして頂きたいのですが」
と呼びかける勇気も無くしてしまったまま杖に縋(すが)ってヒョロヒョロと立ち上った。
コンナ編輯長に出会った事は今までに一度も無い。
コンナ屁ッポコ新聞社に跼(かが)まっているヨボヨボの編輯長が、吾輩のモノスゴイ、スバラシイ性格や技能をタッタ一眼で見貫(みぬ)き得る筈は絶対に無い訳なのに、何一つ尋ねるでもなければ、社としての希望を述べるでもない。おまけに採用するつもりか、そうでないのかテンデ見当の付かない事をタッタ一言、云いっ放しただけで、ビッコ引き引き引上げるなんて、無責任なのか、乱暴なのか、礼儀を知らないのか、それとも吾輩の事を同業者仲間の誰からか聞いて知っているのか……又は新聞記者を鉛筆担(かつ)いだ木ッ葉職人同然に心得ているのか……何が何だか見当が付かない……とに角にも編輯長をつとめている以上キチガイじゃないと思うが……。
そんな事を考えてボンヤリ突立っているうちに編輯室の方向から電話にかかっている速記者らしい声が聞こえて来た。