Japanische Klassiker mit Furigana
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こころのアンテナ
心のアンテナ
佐々木 邦
Lesen Sie 心のアンテナ (こころのアンテナ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.973 Zeichen · 27 Bildschirme
銀の字もベラボーだ」
「何故でございますか?」
「華族さんと義太夫語りを並べて見れば、何のことがあるものか、義太夫語りの方が下だよ」
「いゝえ華族さんは別ですよ。画家と官吏の話ですわ」
「画家も位が上だろう。芸術家だから」
「義太夫語りも芸術家ですわ。あなたからしてそんな無理解なことじゃ困りますよ。画家が筆で描くところを此方は声で現すんですから」
「声は直ぐ消えてしまう」
「レコードに入って残りますわ」
「成程ね」
「同じことですわ。画家だって義太夫語りだって」
「すると浪花節も芸術かい?」
「えゝ」
「芸術結構」
「官吏だって同じことですわ」
「官吏は豪いよ。大臣がいる。次官でも大したものだ」
「師匠、大臣でも次官でも、官吏は皆パブリック・サーヴァントです」
と銀さんが切り込んだ。美代子さんが目くばせをしたのだった。
「何だって?」
「公の僕です。英国やアメリカでは然う申します。日本でも大きい使と書けば大使ですけれど、小さい使と書けば小使です。これは元来使用人の性質を持っているからでしょう」
「成程な。面白い」
「役人や絵描きの娘に威張られて、お嬢さんが泣いて帰ってお出になるようじゃ、失礼ながら、家庭教育が何処か間違っています」