Japanische Klassiker mit Furigana
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こころのアンテナ
心のアンテナ
佐々木 邦
Lesen Sie 心のアンテナ (こころのアンテナ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.973 Zeichen · 27 Bildschirme
三羽烏三つ巴
「…………」
「銀さん、私、駈引のないところ、そんなお婆さんに見えますの?」
「いや、何う致しまして」
「それなら人が真面目なお話をしているのに、笑わなくても宜いでしょう?」
「相済みません」
「此奴は馬鹿だよ」
と師匠も銀二郎君を睨んでいた。
「余り利巧じゃないようね」
「頭の毛が三本足りないんだ」
「お猿?」
「モンキーのインテリさ」
「銀さん、あなた本当にもっとしっかりして下さらないと困りますよ」
「気をつけます」
と銀二郎君はあやまるばかりだった。そればかりでない。奥さんは師匠の立った後、
「銀さん、あなたは今何と仰有いました?」
「さあ」
「決してと仰有いましたよ。決して私の肩を持ちませんって」
「…………」
「ハッキリしていらっしゃいますのね」
三羽烏三つ巴
銀太夫君は師匠から芸を習うと共に、師匠のインテリ啓発に努めた。鐘師匠は我儘な人だけれど、気心は極く好い。腹を立てゝも、長くこだわらない。奥さんも同じことだった。言う丈け言ってしまえば、後はカラッとする。銀二郎君は二人の主人に仕えるのみならず、美代子さんの御機嫌にも叶って、四五年間無事に勤めた。芸の方も熱心に励んで、相応に上達した。